2番目の恋人


「じゃあ、また明日な」


「うん……」



いつも通り、家まで送ってくれた。



『また明日』が聞けるのは、あと何度なんだろう……?



皐の去っていく後ろ姿を、あと何度見れるんだろ……?


皐の背中が見えなくなるまで、ずっと見つめていた。



――ガチャッ


「ただいま……」


あっ、そっか……



今日からお父さん、遅くなるんだった……



晩御飯は……いいか。


食べる気しないし……



シャワーだけ浴びて、部屋に行こ……



それからシャワーを浴びて、部屋に入った。



部屋に飾ってある皐との写真。



これは付き合って1ヶ月後くらいに撮った写真。




皐は嫌がったけど、皐との写真を一枚も持ってなかったから、どうしても撮りたかった。



ぶっきらぼうに写っている皐。


「ふっ……」


結局笑ってくれなかったんだよね……



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