2番目の恋人
それからジェットコースターに乗り、絶叫系を全て制覇した。
「全制覇しちゃったね。」
「だな。」
「叫びすぎて喉痛いよ。」
ジェットコースターとかで叫びすぎた……
「ん―…でももう1つだけ叫ぶのが残ってるだろ?」
「……へ?」
絶叫系は全て制覇したような……
「あるだろ?もう1つ、おもいっきり叫べる場所が……」
そう言って皐が指差す方を、ゆっくりと見た。
「っ!む、ムリっ!!お化け屋敷だけは無理っ!」
真っ黒の看板に血文字で『ホラーハウス』と書かれたのが目に入る。
「なんで?怖いとか?」
「怖いっ……わけじゃないけど……」
イヤ、本当はめっちゃ怖いんだけど……
「怖いんだろ?正直に言えよ」
「こ、怖くない……」
素直に『怖い』と言えない、意地っ張りなあたし。
「莉緒、正直に言え。」
「っ!怖くないって言ったでしょっ!!」
つい怒鳴るように言った言葉。
「そっか。」
……え?
なんでそんな顔をするの?
さっきまでイタズラっぽくあたしを見てたじゃん。
なのに、なんで……
そんな悲しい瞳であたしを見つめるの……?