2番目の恋人
「ふぅ―ん、じゃあ今日は諦めてやるよ。」
あ、あれ?
なんか戻った……?
でもさっきは……
「今声が枯れちゃったら、夜に困るもんな。」
「……へ?」
夜……?
「声が枯れちゃったら、いい声で鳴けないだろ?」
「っ///!鳴かないからっ!!」
やっぱりいつもの皐だっ!!
心配して損した!!
「じゃあ、そろそろ暗くなってきたし、あれ乗ろうか」
そう言って皐の視線が向いているのは、ライトアップされた観覧車。
「観覧車?」
「うん。」
海に行ったらデートが終わる。
それはイヤだから……
「うん。行こ」
少しでも、時間稼ぎ。
弱くてズルい、あたしの考え。
観覧車は意外に人が並んでいて、乗るまでに時間が掛かった。
でもそれはあたしにとっては好都合。
だって、海に行くまで時間稼げるじゃない……?