2番目の恋人


「好きだよ。」


「っ……」



イヤだ………


イヤだ………


イヤだ………



「……で。」


「……え?」



「行かないで―…」



ポロポロ瞳から流れる涙。



苦しくて、哀しくて、ただ皐にしがみつくことしか出来ない、みっともないあたし。



それでも……


「留学なんて……しないでよ―…」



ワガママだってわかってる……



皐の決めたことを反対してるって、わかってる……




それでも………



「そばに居てよ……。あたしのっ……そばに居てっ……」



他の誰かじゃダメなの……



皐が、そばに居てくれないといけないの……



「莉緒……」


優しい皐の声。



ごめんなさい……



ごめんなさい………



『理解のある彼女』じゃなくて、ごめんなさい……



みっともなくても、皐と離れるのはイヤ……



「あたしをっ……置いていかないで―…」


1人にしないで。



ずっとそばに居て……




皐が居ないと、あたし、息も出来ないくらい苦しいよ………




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