2番目の恋人
〜男の約束〜
オマケ〜*皐Side*〜
「ねぇ、留学なんて、よくうちのお父さんが許したよね。」
ベッドの中でまだ寝たまま話す莉緒。
「あぁ―…まぁな。ある約束をしたから」
「約束?」
「そ、大事な約束」
莉緒のお父さんとの、大事な約束……
――――――――――……
「皐くんは、もしかしてあの八神病院の息子さんなのかな?」
――ドキッ
莉緒のお父さんに挨拶をしに行った時に言われた一言。
“八神”なんていう名字はここでは珍しく、この名前を聞いた人は大半、八神病院の息子だって気づくだろう……
だから、きっとされると思っていた質問。
ただ、八神病院の息子が娘の恋人というのは何かと不安になると思う……
何故なら……
「つまり、将来は八神病院を継ぐのかな?」
そう。後継者なんていう大変な役職に就く俺に、莉緒を預けるのが少し心配なのだろう……
「はい。今のところ、僕が継がせてもらいます。」
医療には興味がある。
人を助けたいと、純粋に思っている。
だからこそ、日本の医療技術を向上させたい。
そのためには……
「お父さんにお願いがあるんです。」
「お願い……?何かな?」