ぼくらのハーモニー Ⅲ
柚希が幸せでいれるなら。
それでいい。
そうやって決めたんだから。
俺は柚希のこと好きだし、柚希のこと思いやれなきゃダメだ!
俺は、そう決めたんだから。
「あ・・・学校に忘れ物した!」
「え?先生大丈夫だって言ってたけど・・・。」
「ワリィ!ちょっと先帰ってて!」
そして、俺は、原に
「ちゃんと、返事しろよ。」
とささやいて忘れ物なんかしてないのに学校に戻った。
柚希と原が見えなくなってから歩いた。
・・・。
はぁ。
ちょっと不安だった。
これで、柚希たちが付き合っちゃったらどうしよう。
決心したのに、まだこんなことを思っていた。
・・・馬鹿なんだな俺。
泣きそうになる。
柚希が自分の近くにいなくなるのが怖くて。
原だけのものになるのが怖かった。
怖くて・・・
怖くて・・・
涙があふれた。
「・・・栗原?」