ぼくらのハーモニー Ⅲ
・・・え?
「俺の彼女、優菜って言うんだけど、そいつ家の事情で引っ越してきてさ。」
・・・優菜?
「そんで、親が離婚してたんだけど、母親が違う人と再婚するってなってこりゃもう家中大騒ぎ。」
「で?」
「それで、優菜は絶対無理!とか言って家出てて俺んちまで来たんだよ~。そしたら、手首血だらけで・・・。」
「え?その状態で栗原の家に?」
「それで、辛いから泊めてって言われたんだけど、さすがに無理だったからさ。」
「なんで?」
「だって、一応俺もお年頃だから!!!!」
なんじゃそりゃ
「まぁいいけどそんなこと。それで、とりあえず手当てしてやってンで家まで送っていったのよ。そしたらまた次の日!おんなじことしてさ。」
「んじゃ栗原君に会いたかったんだね。」
「それで、栗原君たちは付き合ったんだ。」
「まぁね、俺も同情みたいな感じだったからあんまりいい付き合いではなかったけどね。」
「でも、ステキだとおもうよ。」
心からそうおもった。
「そう?」
うん、と私はうなづいた。
「多分、知らないうちに栗原君も優菜ちゃんが好きになってたのかもね。」
「へぇ・・・。」
「で?そのあと優菜ちゃんとはどうなったの?」
「あ・・・別れた。条件付だったけどね。」