ぼくらのハーモニー Ⅲ
「・・・え?」
「柚希、関係だけの自分達が嫌になったんだって。」
「・・・え?」
「・・・だから、友達でいることと付きあうってことで変化がなかったってこと。」
「そんな・・・。」
原がオロオロしている。
「多分それだけじゃないと思うよ。」
俺は、言うことにした。
自分の思っていたこと。
原が、分からないこと。
「余裕がないんだよ。今の柚希には。」
「どう・・・いうこと?」
「勉強との両立、部活のこと、友達関係。それとお前。抱えることがいっぱいなんだ。」
「だからって・・・俺を捨てたのか・・・。」
「違うよ。一番浅い関係だから。お前はこれから友達としてやっていけるんだから。」
「・・・・・・あぁ。」
原は泣いていた。
自分の無力さに。
そして、柚希がいない世界に。