私と彼の歩く道


優子と話せなくても、教室で一人でも、


郁斗がいるからいい。



そんな毎日を、楽しいといい聞かせていた。



郁斗がいるから。


郁斗がいるんだからって…。



「郁斗~!ごめんね。待った?」


秋の日没は早くて、待ち合わせの時には、すっかり暗くなってる。


「待った~」


「ごめんね~」


服を選んでたら、つい遅くなっちゃった。




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