私と彼の歩く道
失った指輪
「ね、ねえ。香織ちゃんの指輪って、郁斗くんから貰ったの?」
「うん。そうだよ?」
突然、廊下で私を呼び止めたのは、去年のクラスメイトたちだった。
確か、郁斗と同じクラスじゃないっけ?
「やっぱり~」
「実はね、私たち、秋祭りの日に、二人を見たんだぁ」
ええ~!?
見られてたの?
知ってる人に見られるって、結構恥ずかしい…。