私と彼の歩く道


思わず、郁斗の腕を掴んでしまった。


すると、ゆっくりと私の手を離す。


「やっぱりさ、無理だったんだよ」


「無理って?」


「オレと香織。住む世界が、違い過ぎる」


そんな…。


「違わないよ!一緒だよ?」


すがる想いで、郁斗を見ても、ニコリとも笑ってくれない。


「でもお前、塾をサボってたろ?」




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