私と彼の歩く道
郁斗のちょっかい
三年生の秋は、みんな受験モードで、どこかピリピリしている。
「ねえ、香織。この間のテスト、どうだった?」
「まあまあだった。優子は?」
「私は、後一歩足りない~」
こんな会話は、日常茶飯事で、親友といえど、どこかでお互い…、
探りを入れ合っている。
結局ね、みんな先を越されたくないの。
本命は違えど、ライバルだもん。
“合格”を手に入れたいライバル同士。