私と彼の歩く道


「辛いよ…。お互い好き合ってるのに、別れるなんて…」


優子は、涙を流しながら言った。


「でもね、優子。何もかも、失ったわけじゃないよ?」


不思議と、私は笑顔になる。


「だってね、優子との友情は、取り戻せたから」


「香織~」


しばらくの間、夕陽が差し込む教室には…、


優子の嗚咽が響いていた。




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