私と彼の歩く道


「何?これ?」


郁斗の方から、飛んでこなかった?


チラッと見ると、さっきは気付かなかったけど、ノートを持っている。


そのノートを一枚、破ったものだった。


「これ、何かの絵?」


鉛筆書きで、十字架や、幾何学模様が描かれている。


「あっ!?」


私の様子に気付いた郁斗が、恥ずかしそうに声を上げた。


「これ、郁斗の?」




< 41 / 203 >

この作品をシェア

pagetop