私と彼の歩く道


顔を赤くして、郁斗が私の方へ飛んで来た。


「悪い。落とした…」


気まずそうに、私から紙を取り上げる。


「今の、郁斗が描いたの?」


「あ、ああ…」


郁斗ってば、目が泳いでるよ。


「そうなんだ。スゴイね。絵、上手なんだ」


美術のデッサン画みたいだった。


こんな特技もあったなんて。


それにしても、郁斗は何でこんなに、恥ずかしがってんだろう。




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