私と彼の歩く道


「そうなの?」


「ああ。分かってるから。香織が迷惑してるのは」


迷惑…。


郁斗は決して、嫌みぽくは言ってない。


むしろ、普通に笑顔を浮かべている。



私、迷惑に思ってる…?

「あっ、お前、昼メシ食った?もう時間ないよ?」


「うん。大丈夫…」


それどころじゃないよ。

「じゃあ、オレは先に行くから」


そう言って、郁斗は走って階段を下りて行った。



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