私と彼の歩く道


ゆっくり話せる昼休憩を選ぶなんて、郁斗のやる事には感心する。


お陰で、私もちゃんと話せそうよ。


誰もいない屋上で、心地良い秋風だけが、嫌味だわ。


私の心は、少しも心地良くないっての!



「単刀直入に言う。郁斗、もう私に話しかけてこないで」


いつもなら、笑ってはぐらかす郁斗も、今日は真顔で聞いていた。




< 68 / 203 >

この作品をシェア

pagetop