ん、大好きだよ。
車から降りると、
いかにも子供っぽくて、楽しげな曲が聞こえてきた。
そして、ふと上を見ると、大きな文字の"遊園地"。
「ゆう…えんち?」
「そうっ♪前にね、スタジオでもらったの、すっかり忘れててさ。しかも今日まで」
そう言って、遊園地の割引券をピラピラとふってみせた。
そして、帽子を深くかぶりなおした。
…そっか。颯と同じような仕事柄、バレたらヤバいんだよね。
一般人の私なんかといたら、危険だし。
「行こう、ひかりちゃん」
そう言って笑顔で手を出した真田さんに、
もう警戒心とかなくて。
「はいっ!」
気付いたら、自然と差し出した手を握っていた。