ん、大好きだよ。




顔の近さに、ピンク色の頬を赤くさせ、


軽く目をそらしたひかり。


でも俺は、しっかりのひかりの瞳を見つめる。




「…なんで、ふたりきりで出かけたの?」




俺の許可も得ないで連れていった玲音は悪い。


だけど、簡単に他の男について行ったひかりも悪いと思う。


いくら、俺の知り合いでも。




「……っ…」


「ずっとね?…仕事中も心配だったんだよ」


「…怒ってる…の?」




怒ってる?


…玲音に嫉妬してるんだ。




「…別に怒ってないよ?」




そんな言葉のあとに間をあけて、


静かに口を開いた。




「……昨日、颯が仕事行ったあとすぐに相澤さんが来て…、何も言ってないのに、無理やり…」




そうして、


下をうつむきながら、鼻をズズッと啜る音がした。


………えっ、




「…ひかり?泣いてる?」


「っ…ごめんなさい……」




俺の耳に聞こえたのは、


ひかりの小さな、絞り出すような声だった。





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