ん、大好きだよ。
■2章
□記念日デート
ひかりside
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「ねえっ、どこ行くの?」
「……秘密だってば」
今日は、デート当日。
どこに行くのか聞いてみても、返ってくる返事は同じ。
「……」
「まあ、楽しみにしててよ?」
笑みを浮かべながら、私に手を差し出した。
行こうっていう合図。
私は何も言わずに颯の手に自分の手を重ねた。
「…ほら、乗ってよ」
「ありがとう」
私が乗りやすいように、助手席のドアを開けてくれた。
…こういう颯のさりげない優しさ、好きなんだよね。
……颯は無意識にしてるだろうけど(笑)
車に乗り込んで私がシートベルトをしめたことを確認した颯は、
ゆっくりと車を前進させた。