ん、大好きだよ。
見覚えのある、にこにこ笑っているイルカの絵が、私たちをお出迎え。
何年ぶりかな?
高校生になってから、こんな所来なくなっちゃったもんね。
……水族館なんて。
でも、デートにしては普通だし、
子どもっぽくない?
「ね、なんで水族館なの?」
「え…」
そう質問した私に、バツの悪そうな顔をした颯。
え…そんなイケない事聞いちゃった?
颯は、困っているような表情をしながら、話し出した。
「や、だって…かぶってたし」
「え、なにが?」
「……本当は、遊園地のはずだったんだけど…、
玲音が先に連れて行っちゃったし」
遊園地…
それもまた子どもっぽいかも(笑)
「…被るとか…、なんか嫌じゃん」
「………」
颯は、自分の首筋に右手を回した。
これ、颯が照れてる時のお決まりのポーズ(笑)
でも、
私的には、颯との遊園地も行ってみたかったけどなあ…?
「…っ//ああもう、早く行くぞっ!」
「え、ちょっと待ってよっ」
照れ隠しのように、
颯は私の腕を強引につかんで先を歩く。