ん、大好きだよ。




見覚えのある、にこにこ笑っているイルカの絵が、私たちをお出迎え。


何年ぶりかな?


高校生になってから、こんな所来なくなっちゃったもんね。


……水族館なんて。



でも、デートにしては普通だし、


子どもっぽくない?




「ね、なんで水族館なの?」


「え…」




そう質問した私に、バツの悪そうな顔をした颯。


え…そんなイケない事聞いちゃった?



颯は、困っているような表情をしながら、話し出した。




「や、だって…かぶってたし」


「え、なにが?」


「……本当は、遊園地のはずだったんだけど…、

玲音が先に連れて行っちゃったし」




遊園地…


それもまた子どもっぽいかも(笑)




「…被るとか…、なんか嫌じゃん」


「………」




颯は、自分の首筋に右手を回した。


これ、颯が照れてる時のお決まりのポーズ(笑)


でも、


私的には、颯との遊園地も行ってみたかったけどなあ…?




「…っ//ああもう、早く行くぞっ!」


「え、ちょっと待ってよっ」




照れ隠しのように、


颯は私の腕を強引につかんで先を歩く。





< 37 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop