ん、大好きだよ。




テンションが上がりすぎて、辺りを見れていなかったせいで



ドンッ




「わわっ…すみません!」




見知らぬ人にぶつかってしまう始末。


相手の人は、颯と同じくらいの歳の男の人。


その人は私を見るなり、




「…悪いと思ってんなら、俺と付き合えよ」


「…は!?」




そう言って、

痛いくらい強く私の腕を掴んだ。


何がなんだか分からないし、

腕の痛みにも負けて、ズルズルと引っ張られていく。



そんな時だった。




「…そいつ、俺のなんですけど」




もう片方の腕を掴んでいる、颯の姿。


しかも、よく漫画にあるようなセリフつきで。




「勝手に手…出さないでください」


「……チッ」




男の人は、大きく舌打ちをして、


どこかに行ってしまった。



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