ん、大好きだよ。

□スイートルーム







颯side






「颯、次はどこ行くの?」






車の中で、さっき買ったクマノミのキーホルダーを


嬉しそうに手の中に包み込んだひかりは、そう俺に聞いてきた。





「んー…まだ秘密」


「えー、いじわるっ」




ぷくーっと頬をふくらませているひかりが想像できる。


今はもう夕方。


太陽がオレンジ色に光だし、遠くの空にしずみかけていた。


隣で無邪気にはしゃぐひかりを見ると、楽しんでくれてるみたい安心する。


ひかりといるこの空間や時間が、愛しくてたまらない。




「へへっ、やっぱり相澤さんと来るより緊張しちゃうね」


「…なんだよ、それ(笑)」




あんな騒いでたくせに…、あれで緊張してたんだ?




「相澤さん、チャラそうだけど思った以上に優しかったんだよっ」


「ふーん…」


「だけどおばけ屋敷の時、可愛い悲鳴あげてたんだよ。颯にも見せたかったなあ」




まるで思い出を振り返るような素振りで俺に話す。


…なんか、複雑。




「…けど、やっぱり颯とがいちばんだよ」




ふいに隣を見ると、


恥ずかしそうに笑うひかりの横顔。






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