ん、大好きだよ。
携帯の時計は、23時をまわっていた。
隣では、目をとろんとさせながら小さく欠伸をしている彼女。
…あらら、おねむの時間(笑)?
「ひかり、眠い?」
「ん…大丈夫……」
目をこすりながらも、にっこり笑って眠くないことをアピール。
いや、明らかに大丈夫じゃないでしょ。
「…よし、車行こう」
「えっ…、もう帰るの?」
なんて、寂しそうな声で俺を呼び止める。
「だって眠そうだし…、お腹もすいてきたでしょ?」
「大丈夫だよ!」
「ん、いいから。…ひかりが体調崩すのだけは勘弁したいからさ」
繋いでいた手を強く握って、微笑む。
だけど、それが逆効果だったらしく。
「…やだっ」
「え、ひかり?」
「まだ家に帰りたくない…颯と一緒にいたい」
…え、ちょっ// なにこの甘え様。
可愛すぎるんですけど。
やばい、かなり嬉しい。嬉しい…けど。
「…ひかり、まだ家に帰んないよ?」
「え…?」
「家でのんびりってのもあるけど…今日は記念日だし、ね?」
きょとんとした表情のひかりを、半ば強引に車に乗らせた。