ん、大好きだよ。






暗い夜道を通りぬけ、遠くの方に淡く光る建物。


フロントガラス越しで見つけ、急いで車を走らせた。







「…ひかりー?おーい、ついたよ」


「……んー…」






いつもは俺が起こされる側だから、なんかこういうの新鮮でいい(笑)


眉間にしわをよせ、ゆっくり開いた瞳。


小さくあくびをして、







「…おはよ、颯」







…ねぼけてる?


そう言いたいくらい、ふにゃんと笑った。







「…ん、おはよ。もう時間遅いし…降りよ?」


「……ほ…てる?」


「うん、ここのホテルね、夜景が綺麗って評判なんだよ」


「…へぇー」






今日は特別な記念日だから、一番眺めのよいスイートルームを予約しておいた。


どんな反応するか楽しみな俺(笑)


外の寒さで、目をさましたのか






「……ぅわっ!」






と、ホテルを見て目を見開いて声をあげた。







「…っで、でかい…!」


「ほら、風邪ひいちゃうから早く行こう?」


「う、うんっ…!」






興奮したのか、ただ単に目がさめただけなのか。


楽しそうに笑いながら、そっと腕を絡めてきたひかり。





「ん?どした?」


「へへ…颯、あったかいね」


「ひかりが冷たいんだよ」


「うん、そうかな?」







ひかりの指先が冷たく感じる。



……今日は


忘れられない夜にしようね、ひかり。






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