ん、大好きだよ。







「わ、わ、すごいっ!!見て見て、ほら、颯!」


「はいはい、見てます」







ホテルから窓の外の景色を見ながら、子供らしい反応を見せた。


俺もひかりの隣から景色を見渡せば、ひかりがあんな反応するのは納得がいく。


……さすがスイートルーム(笑)


色とりどりに輝くネオンは、八方に光を放ち、


黒い背景になんとも似合っている。


さっき見てきた夜景とは違ったもので、より一層この景色が頭に焼き付いた。






「颯っ、あれ見て、あれ!!」


「…ん、どれ?」






窓ガラスに手をついて夢中のひかりの背後に立ち、軽く腰に手をまわした。






「ほら、あれ!虹みたいにいろんな色で光ってるよ!」


「ん…どこ?」


「ほらっ、あの大きなビルの後ろ!」






完全にはしゃいでいるひかりには、軽く抱きしめていることが分からないみたい。


たまに香るひかにの匂いに、クラクラする。






「…なぁ、ひかり」


「ん?」


「今日は楽しかったな」


「うん!」





くるっと回って、お互いの顔の距離も近くなる。


そんなのお構いなしに、笑顔を浮かべる。






「今日はひかりと来れてよかったよ」


「ふふ、私も」





ふいに顔をあげたひかりと視線がぶつかる。






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