ん、大好きだよ。







「お風呂、入ってくるね」






そう言って、はや10分。


バスルームから聞こえるシャワーの水音と


今夜のこと考えていれば、なかなか落ち着けない。


自分的には、そろそろいいかなー…とは思ってるんだけど。


どうやってその雰囲気を醸しだそうか。


それに…。


バスルームから聞こえる楽しげな鼻歌が耳に入る。


そんな雰囲気、絶対に理解してくれないだろう。






「どうしようか…」






ソファーに腰をかけ、頭を抱えながら悩んでいた。






「…颯ー?どうしたの?」


「え、あ…//」






いつも以上に頬がピンクに染まり、色っぽいひかりの姿。


やべぇ…//






「お風呂、入ってきていいよ?」


「あ、ああ………ひかり、眠くなったら寝ていいからな?」


「え、今日は寝ないよ?」


「…はあっ!?」







きょとんとした表情。


え、ちょっとそれはどういう…。






「今日は記念日だから、少しでも長く颯といたいから」


「あ、…そう」







おかしな期待をしていた自分が恥ずかしい。


うん。これがひかり。


誘い方なんて、知らないんだ。






ほっとしたような、複雑なような。


そんな気持ちになりながらも、お風呂へ入った。





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