ん、大好きだよ。
***
「ひかり、あがったよ」
寝ていてほしい気持ちと、まだ起きていてほしい気持ち。
どっちなんだよ、俺……。
そっとベッドの方を覗いてみる。
「………っ、」
「あ、颯」
ベッドに腰をおろし、外に向けていた視線を俺に向けた。
お、起きてた…。
「起きてたんだ?」
「うん。車の中でも寝ちゃったから、あんまり眠くなくて」
ひかりにくっつくようにして、隣に座る。
それから、ひかりの方をゆっくり見てみる。
ただじっと一点を見つめる、優しくだけどどこか大人っぽい、ひかりの瞳。
なんの迷いもない表情に、思わず見とれた。
「ねぇ、颯」
「ん?」
「お仕事、楽しい?」
「どうしたんだよ、急に」
サラサラな髪を靡かせ、そう問いかけた。
仕事、かあ…。
「うん、楽しいよ」
「そっかあ…」
メンバーもいて、スタッフさんとも仲良くできて。
楽しいと思ってる。
ひかりは俺と目を合わせようとせずに、ただまっすぐに先を見つめていた。