記憶のパズル
私は無理矢理でも早く帰ってもらおうとせなかをぐいぐい押した(無理矢理っていっても親切のつもり)。




「ちょ!押さないで」



「あ、ごめん…」




背中を押すのをやめたら陽がこっちを向いた。




「じゃあ、また明日」


「また明日」




私は陽に手を振る。


陽の表情は見えなかったが、微笑んでいるように思えた。




陽は背中をこちらに向け歩き出す。



私は陽が影にのまれてから家に入った。






「ただいま~」



って、誰もいないや。
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