記憶のパズル
俺たちは屋上のフェンスに体を預けるように座っていた。


岡本は下を向いて、屋上の床を見ていて。


俺は上を向いて、屋上の上にある空を見ていて。


それぞれ違う風景を見ていた。




もう授業は始まってる。



説教決定だな…。





「……ん」


「本気で、若葉のこと好きだったと思うよ」


「……うん。………俺はそれを、利用した」


「……」


「…最低だ…」




しばらく沈黙。



俺は早苗の告白を利用したんだ。


周りの目を気にして、付き合った。



早苗の事なんか、好きじゃなかった。





「うん、最低」
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