記憶のパズル
私が袖を掴んだ人が今度は私の腕を掴む。




「ちょ、ま!」




私が抵抗してもやはり男の人には敵わない。


このままじゃ……!!


あれ。

……これって今抵抗するより、カラオケの受付するときに逃げ出せば…?


そう思った私は抵抗するのを最小限におさえる。



私の抵抗が少しずつ弱くなっていくのを良いことに男の人はグイグイ私の腕を引っ張った。




──グイッ



え……。



ちょうどゲームセンターの前に来たところで急に頭が手と反対方向に引っ張られる。


同時に目の前が布かなにかで抑えられた。




「───これ、俺の彼女なんで」




…………。


あれ、この声どっかで……。
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