記憶のパズル
コクコクと頷く水樹さん。



そろそろ離してくれないかな。


そう思ったとき、助け船を出してくれたのは日菜だった。




「…椎。そろそろ離してあげたら?」



「あ、ああ!ごめん」




水樹さんは慌てて手を離した。


やっと楽な体勢ができる。



「んー…」


手を上に伸ばす。



なんか、口押さえられてた時間長かった…。

10分?
いや、本当はもっと短いんだろうが、長く感じた。



「あ、若葉君。私のことなら椎でいいよ」
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