記憶のパズル
それにため息をつくほどじゃ。



『…椎の性格がわかった気がする。じゃあ、またあとで』




──ツーツーツー



虚しい音が私の耳に聞こえてくる。



力なく携帯を持ったまま手が下に落ちる。



そして無意識に携帯を閉じていた。



……準備しなきゃ。




制服から私服へ。



胸から踝までのロングスカート。

上に長袖の上着を羽織る。



カバンを持って玄関へ。



使いなれたサンダルを履いて外へ出る。



鍵をかけて陽の家に。





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