桜が散るその日


 薄桃色の花が降る。ずっとそばにあったこの場所。


 自由にはなれないと知っていた。いくら願っても届かないものがある。


 それでも、自由にできる場所があった。


 桜が散る。夢の存在が大きくなる。


 医者の息子として生きていくことしか、許されない。


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