近くに居るのに。
寂しそうに男は笑った。
「やっぱモテモテだもんね。俺さあのあと泣いてたんだよ…」
「え!?」
泣いてた!?
「でも毎日違う女の子と歩いてたりしてたじゃん」
「あれは、少しでも中津さんに見てもらいたかったから…」
うちに見てもらいたかったから?
だからチャラい振りしてたの?
「本当はこんな金髪に近い髪色なんてやだしタラシなんかになりたくなかった。だけど、中津さんに見てもらいたかったからさ」
男はニコッと笑った。
「ごめんなさい…てっきりチャラい人だとばっかり、うち決め付けて…ごめんなさい、本当に…」
うちは男に謝った。