近くに居るのに。
予想外にも波瑠の返事は普通だった。
「おい、お前さ早瀬さん居るのに何してんだよ…」
「だって、しん冷たいんだもん…」
ああ…波瑠にはやっぱイライラするわ。
「とにかく俺はお前と縁切りするから。ひよりに何かしたら許さないからな」
俺は目の前にいる波瑠を睨んだ。
「さあね。ってかいつの間にひよりちゃんと上手くいっちゃったのお?」
「上手くいったとか…別に付き合うとかしてねえよ…」
「ふうん…じゃあ早く出てってくんないかな?」
波瑠は隣の男に抱き着きながら俺に冷たく言った。
これで縁切りできた。
ひよりにはまだ少し恋心はあるけど、もう付き合うとか眼中にない。
ただ波瑠から守りたい。