近くに居るのに。
理科室から教室に戻ると、
『中津さん』
「はい!」
学級委員の佐藤さんがうちを呼んだ。
『なんか前のドアの所で中津さんを呼んでいる人がいますよ?』
「あっ分かりました〜」
佐藤さんはさっさと自分の席に戻った。
うちは佐藤さんの話を聞いてから前のドアを見ると確かに背の高い男の子が立っていた。
「ひより、佐藤さん何だって?」
「なんかあの人がうちを呼んでるみたい…」
うちは前のドアで立っている男の子を指差した。
「あんたまた?」
「うん」
「モテないなんて本当嘘だから、ひよりはかなり可愛いもの」
「お世辞いらん!じゃあ話聞いてくる!」
私は男の子の所へ走った。