近くに居るのに。



お兄ちゃん忘れちゃったんだきっと。


「大変だな、女は」

「はっ早瀬さん」


早瀬さんがいつの間にか隣に立ってた。


「兄貴関係か…」

「聞いてたの?」

「ああ」

うちはその場に座った。


早瀬さんも座った。



「お兄ちゃんと約束したんだ。うちが大好きな男の子が出来るまでお兄ちゃんは大好きな女の子を作らないって…」

「なのに…」


気づいてたら泣いてた。


「拭け…」

「ありがとう」


早瀬さんはうちにハンカチを貸してくれた。





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