近くに居るのに。
ーーーしんside
ジュースを手に持った俺はグラウンドのサッカーコートに寄り掛かるれのを見つけた。
「れの」
「やっぱ来た」
れのは分かっていたように俺の近くに来た。
「俺ねひよりんが好きなんだ」
「…」
「手は抜かないから」
れのは笑った顔から真剣な顔になった。
「俺だって…譲れねぇ」
俺は精一杯声を出した。
「それ、本当?」
「!」
「まだあいつのこと引きづってんだろ?」
「…それはない」
「ならいいけどな」
れのはいつもの笑顔に戻り遅れるぞとだけ言って居なくなった。