近くに居るのに。



「希望…」

うちはボソッと呟いた。


「しん君がまた自分と向き合ってくれるとか」

「しんが?」


うちの心が揺れる。



「いい?ひより。失望という言葉は希望を持つ者だけがもらえる言葉みたいなものなのよ?」

「……」

「希望さえ持っていないひよりが失望だなんて言葉持っていてはいけないの…」


最後にはママはうちの手を暖かい手で握りしめていてくれた。



「ママ…。うち待つよ。二階堂高校を卒業するまで…。待ってみるよ、しんを」


うちの心がママによって動いた。





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