きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
その絵を見た夜
私は夢を見た


私は裸

猫も裸で


お互いに唇を
啄むように重ねあう


私の体は

あの絵の体
いつもの自分ではなかった


猫の表情が
曇り硝子のように

曇っていて
見えない


顔がみたいのに

そのもどかしい気持ちにうなされていて


「…はっ!」


汗ぐっしょりで
目覚めた


気がつくと
携帯が鳴っている


午前3時


「…もしもし」


「寝てたろ。」


猫だった


「…どうしたの?」


猫はため息をついて
言う


「…早く起きろ。その甘えた声、やめろよ」


途端に恥ずかしくなって慌てて
咳払いをした


「ごめん、どうしたの?」


「…ん」


猫は黙り込んだ後


「うなされてたろ?だから」


あ…

うなされ声が隣の部屋まで聞こえてたかと思うと

耳まで熱くなってくる


は、恥ずかしい


「…なぁ」

猫の
落ち着いた声が言う

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