きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「きっとジェリービーンズも
俺のことを好きになる」

気がつくと

猫は


パイプ椅子に座った私の足元にしゃがみこんでいる


金色の瞳の瞳孔が
光を取り込むために
収縮して


猫、みたいだ


「そんなこと、ない」


心臓がドキドキ音をたてている


「きっと、ジェリービーンズも
俺を縛りたくなるんだろ?」


赤い顔を隠すため
そっぽを向いた
私の頬を


温かくて長い指の
両手が包みこんで


「こっち向けよ
俺のこと嫌い?」


無理矢理正面を向かされて


私は
その瞳に捕まる


「…嫌いじゃ、ない」


「嫌いじゃないなら
…何?」


猫が
耳元で囁くように言う


私の皮膚は
とても敏感になっていて
猫の息が
耳にかかると

ほてっていくのが
わかった


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