きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「近いよ…」


押し戻すようにすると


「…背広さんには
キスマークつけさせたのに?」


少し責めるような口調で猫は言って


私の首元に触れる


「あっ…」


あの時

痛みがあったのは…



「このまま
背広くんの物になるの?」

猫が私を見つめて言う


私は首をふった


「…ひどい
勝手にキスマークつけたり
私は物じゃない」


少しシュンとしてると

猫は
ふふ、と笑った


「ほんとに
赤くなったら青くなって
ジェリービーンズだな」

そう言ってまた
微笑む


「か、からかわないでよ」


私が猫を
たたくように


振り上げた腕を


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