きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
うるさい


うるさいうるさい


ウルサイウルサイウルサイ!


私は耳をふさいで
叫ぶ


「どうした?」


ハッと目をあけると


月明りにぼんやりと見える

整った猫の顔


「ごめん…夢見てた」


そっか…
私、猫と…


「…怖い夢か?」


猫が


私をシーツごと私を


ギュッと


抱き締めて
聞く


胸がじんわりと
しめつけるように痛い


「うん」


猫が私を少し離して
見下ろすようにする


「俺が…」


かすれる声と
少し潤む瞳


「忘れさせてやるよ」


猫が私の上になり
唇が近付いて


そっとキスを落とした


いつも真顔で冷たい猫がこんなキスをするなんて

勘違いしてしまいそう


「暗くても顔が赤いのがわかるな…」


猫は微笑んで


今度は

深くて

全てを吸い取られそうな甘いキス


体の奥が
熱くなる


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