きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「ちょっと腹がたちましたけど…
もう消えましたし
こうして謝ってくれたから」


私が言うと


背広さんが顔をあげて
本当に嬉しそうに
私の顔を見て

顔を赤くした


「…ありがとう」


ちょっと可愛い、と
思ってしまう


「仲直りに、
こないだ飲めなかったし
…飲み直さない?」


気が付くと背広さんが
腰掛けていたところに
たくさんの
お酒が入ったビニール袋が置いてある


「梅酒のソーダ割り、いっぱい買ってきた」


いつもスマートな彼が


今日は
なんだか子供みたいで
微笑ましかった


「私、そんなに
飲めませんよ?」


私が言うと

背広さんがフッと
笑っていった


「…飲みきれなければ
また、次飲めばいいよ」

その言葉に
ドキッとした
私には


このやり取りを
見ている人の気配を
うかがい知ることは


…できなかった



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