きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「背広さん、けっこういけるクチですか?」


私が聞くと


「うーん、相手によるかな
気の乗らない相手なら
あまりすすまないけど…
可愛い子と一緒だと
つい飲んじゃうね」


そう言って
ニコニコ私を見てる


背広さんの黒い髪の毛
が風にそよぐ

細められた
黒い瞳


うっ、何と言っていいかわからない…


「でもさ…
猫君のあんなところ
初めてみたな、俺」


背広さんは少し酔っているのか
自分のことを俺、と言った


「猫の…ですか?」


「そう、いつも何というか
無表情で
無機質で…

アンドロイドみたいなヤツだと思ってたけど」


背広さんは
少し神妙な顔をした


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