きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「ジェリービーンズを
瓶詰にする、と言った時の彼は

とられたおもちゃを
取り返したような

顔をしてたね」


思い出したのか
クスクスと
笑って言う


「…私はおもちゃですか」


思わず私は
ふくれっ面になる


「まあまあ、そんな仏頂面しないで

…プリンセス」


背広さんは
目を細めて


手を伸ばしてくる

手はキャンドルの上を通過して


私の頬に
触れる


「で?君はやっぱり
猫君に瓶詰にされたの?」


背広さんが
少し首をかしげて
微笑む

私の頬に触れた
背広さんの手の


思うより
熱い感触に胸が高鳴る


声を出すのが精一杯だ


「私には
…瓶詰の意味がわかりません」


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