きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
缶を
降ろした瞬間


「んっ…」


唇をふさがれて

2人の影が
ひとつになる


「俺、君のことが
…好きだ」


再びふさがれる唇


冷静でスマートで

かっこいい背広さんのイメージからは


ほど遠い


柔らかくて温かい
感触が

私の舌に絡み付く

熱くて


…嫉妬にも似た
強引なキス


息が苦しくなって
彼の体を押し戻す


黒い瞳の中で
炎が揺れる


「…そんな女じゃないだろ?
自分のこと、そんな風に言うなよ」


切なげな背広さんは
少し怒っているようにも見えた


その感情…


その言葉に


デジャヴを感じた


確か…


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