きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
なんと言っていいかわからず
猫の顔を見つめる


猫は
手にした缶ビールを
口にして


「ぬるいな…」

とつぶやいた


「缶ビールなのに冷やしてなかったの?」


私が言うと
むきになった様に

わざとらしく
もう一度缶に口をつける

「冷やしてたけど飲んでるうちにぬるくなっただけ」

もう…
負けず嫌いなんだから


猫の髪の毛が月の光を受けて
静かに反射してる


暗闇に肌の白さが浮いてより端正に見える


かっこいいな…


そんなことを
考えてた


「…お前」


「な、なに?」


鋭い視線に
少し慌てた


「…今、俺のこと考えてたろ」


無表情な瞳で私を見てる

そんな目で
見ないで


思わず目を伏せると
猫は息を吐いて言った


「好きになるなよ。俺みたいな奴のこと」


なっ…

「ならないよ!」

私はうろたえながらも言い返す

「どうだか。俺の夢見てるくらいだから

…おとなしく寝ろよ


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