きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
月明りの中


白いシャツの



少し開けられた胸元が無造作に
乱れている


綺麗…


思わず
見とれて


声を出せないでいた


猫は
表情を動かさず
私を一瞥すると



庭の端に置かれた
ドラム缶の方へ
歩いていく


目で追っていると


猫は片手に
何かを持っている



…絵だ


猫は


右手をチノパンの
ポケットにつっこんで

ゴソゴソとさぐる


取り出したのは
シルバーに光る


…ジッポライターだ



「だめ…」



何故かはわからない


「だめ!!」


気付いたら私は
走り出していた


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